「値上げで、お客様が離れるのが怖い…」そんな経営者のための、失敗しない価格改定3つのステップ
- つながるネット株式会社

- 8月28日
- 読了時間: 5分
ただ「申し訳ありません」と頭を下げるだけでは、信頼は得られない。誠実な経営者だからこそ知っておくべき、顧客との絆を深めるための「値上げの作法」。

はじめに:その「心苦しさ」の正体とは?
原材料費の高騰、止まらない円安、上昇し続けるエネルギーコスト!
多くの誠実な経営者様が、自社の努力だけでは到底吸収しきれないコストの波に、まさに今、直面されていることと思います。
そして、脳裏をよぎるのが「価格改定(値上げ)」という、重い決断です。
しかし、その決断を躊躇させる、たった一つの、しかし非常に大きな感情があります。
それは「長年ご愛顧いただいているお客様が、離れてしまうのではないか…」という、恐怖心ではないでしょうか。
その心苦しさ、痛いほどよく分かります。
しかし、もし価格改定が「お客様のため」「従業員のため」「事業を未来へ繋ぐため」に不可欠なのであれば、我々経営者は勇気を持って実行せねばなりません。
単なる「値上げのお願い」で終わらせず、むしろ顧客との信頼関係を深めるチャンスに変えるための、具体的な3つのステップを、多くの企業の現場を見てきたプロの視点から解説します。
ステップ1:『なぜ上げるのか?』を、誰よりも深く理解する「準備」
価格改定で最もやってはいけないのは、経営者自身が「申し訳ない…」というネガティブな気持ちだけで実行してしまうことです。その迷いは、必ずお客様に伝わります。
まず必要なのは、価格の値上げを、「お客様のため」と、理解する必要があります。
【解説】 価格改定の理由は、単に「仕入れが上がったから」ではありません。それは、「これまで通りの品質を守り抜くため」であり、従業員を守ることにより、「5年後、10年後も、お客様の隣で事業を支えるため」という、未来に向けたポジティブな経営判断です。 |
【今すぐできる改善策】
まず、社内向けの資料として構いませんので、「価格改定の理由書」を作成してみてください。
コスト上昇の具体的な数字(〇〇が何%上昇した、など)を客観的に書き出す。
価格を据え置いた場合のリスク(品質の低下、サービスの簡略化など)を明記する。
今回の価格改定が、お客様にどのような価値を守り、提供し続けるために必要なのかを、自分の言葉で書き記す。
この「準備」によって、あなたは謝罪ではなく、会社の未来と、お客様の未来を守るための「覚悟」を顧客に伝えることができるようになります。
ステップ2:『どう伝えるか?』で、誠意と感謝を届ける「通知」
準備が固まったら、次はお客様への「伝え方」です。ここで誠意が伝わるかどうかで、結果は天と地ほど変わります。
【解説】 お客様が最も不快に感じるのは「知らないうちに、いつの間にか値段が上がっていた」という不誠実な対応です。価格改定は、できる限り早く、丁寧に、そして直接的にお伝えするのが鉄則です。 |
【今すぐできる改善策】
価格改定を実施する最低でも1ヶ月前には、お客様へ通知しましょう。そして、その伝え方には最大限の配慮を。
× やってはいけない例:
店頭に小さな貼り紙をするだけで済ませる。
ウェブサイトの隅にお知らせを載せるだけ。
注文(受注)を受けてから伝える。
◎ 理想的な伝え方:
長年お付き合いのある重要なお客様には、直接訪問して伝える。
それが難しい場合でも、一斉送信のメールではなく、一社一社宛名の入った手紙や、丁寧な個別メールで通知する。
その際に伝えるべき内容は、以下の要素です。
日頃の感謝
価格改定の事実と、改定後の価格、実施日
やむを得ない理由(簡潔に。ステップ1で固めたもの)
これまで以上の価値を提供するという「約束」
今後のお付き合いをお願いする言葉と、改めての感謝
この丁寧な「通知」は、お客様に「自分は大切にされている」と感じていただくための、絶好の機会です。
ステップ3:『上げた後』に、価格以上の価値を実感させる「覚悟」
価格改定は、通知を出して終わりではありません。
むしろ、そこからが本当のスタートです。 なぜなら、値上げとは、お客様に対する「これからも、価格以上の価値を提供し続けます」という経営者からの固い「約束」だからです。
【解説】 お客様は、新しい価格を支払うたびに、無意識にその価値を値踏みします。その期待を上回ることができて初めて、価格改定は「成功」したと言えるのです。 |
【今すぐできる改善策】
価格改定後、お客様に「高くなったけど、やっぱりここが良いな」と感じていただくための、小さな工夫をしてみましょう。
商品と一緒にお礼の手紙を添える。
これまで以上の迅速な対応を心がける。
お客様の声を以前よりも丁寧にヒアリングし、サービス改善に活かす。
もし、お客様から価格についてご意見をいただいた場合は、真摯に耳を傾け、ステップ1で固めた「理由」を誠心誠意お伝えください。その誠実な態度は、必ずお客様に伝わります。 この「覚悟」ある行動こそが、一時的な価格の壁を乗り越え、より強固な信頼関係を築くための鍵なのです。
まとめ:価格改定は、企業の「誠実さ」が試される時
「お客様が離れるのが怖い…」 その気持ちは、お客様を大切に想う誠実な経営者だからこそ抱く、尊い感情です。
しかし、その誠実さがあるからこそ、
「準備」を固め、
丁寧に「通知」し、
「覚悟」を持って価値を提供する
というステップを踏むことで、この困難を乗り越え、むしろ顧客との絆を深めることができるのです。
もし、貴社のさらなる価値の向上を目指し、価格改定などで揺るがない戦略を考えているのであれば、いつでも私たちにご相談ください。
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